遅延ほぼ無し!「Steam Link」のスマホアプリ版を試してみたら凄かった話。



そこそこ最速レビュー?

さて、かねてから5月公開が公式に発表されていた、スマホアプリ版の「Steam Link」だけど、今回、無事にAndroid版のアプリ(iOS版は承認待ち)が公開された。

というわけで早速、実際の動作などについてボクも試してみていたのだけど、まだまだBETA版という位置づけながら、なかなか完成度が高くて、今後さらにアプリの完成度が高まってくれば、かなり強力なアプリになりそうな予感がしている。

特に、ボクみたいに家族の目を盗みながらコソコソゲームをやっている方達にとって、このアプリが福音となるかもしれない(笑)

というわけで、興味のある方もそれなりにいるだろうと思うので、今回は、スマホアプリ版の「Steam Link」の実際の使い勝手などについてファーストインプレッションをざっと書いてみることとしたいと思う。




そもそも「Steam Link」って何?


僕自身もSteam Linkという言葉の範囲が、今回のスマホアプリ版の発表によりどこまでを指すのかはあいまいだったりする。

なお、普通にこれまで「Steam Link」というと、Valve社が自身のPCゲーム配信のためのプラットフォームサービス「Steam」で配信されたゲームを「ゲームがインストールされたPC以外でゲームを遊ぶ際に使う」以下の「Steam Link」というプロダクトの事を指していた。


このSteam Linkの仕組みだけど、簡単に言えば、「ゲームがインストールされたPC上でゲームを実行し、音声と映像をリモートデスクトップのようにクライアントに送信する。逆にコントローラーの操作などは、クライアント側からPCに送る」といったやり方で実現され、あたかも手持ちのクライアント端末でゲームが実行されているかのように遊べる、そんな仕組みになっている。


今回、発表されたスマホアプリ版の「Steam Link」は、言わば上記のような特別なハードウェアなしに「スマートフォンがあればリモートでのゲームプレイが可能になる」というかなり画期的&野心的なソフトウェアになる。

なお、対応機種はiOS(iPhone、iPad、Apple TV)とAndroid端末という事なので、スマートフォンやタブレットさえあれば利用できるので、かなり多くの人が利用可能な状態になっている。

ただし、利用時には、スマホ側は5GHzネットワーク上で動作(推奨?)し、親機(PC、Mac)は有線接続されている必要があるとのことなので、スマホのスペックも含めて、色々と環境の制約はある点は気を付ける必要がありそうだ。

なお、プロダクトとしての製品版「Steam Link」はどうも商売的には失敗したようで、投げ売りされていたりもするので、気になる方はボクのように玩具として拾っておくのも良いかも(笑)



アプリインストール&必要となるスペック等について


インストールは既に公開済み(Android版のみ)という事なのでGoogle Playから。

Steam Link (BETA)
Steam Link (BETA)
Valve Corporationposted withアプリーチ


なお、現時点ではスペックに対する要件は以下の通りの記載くらいしかなく、特にスマフォ&タブレットの性能よりも「ネットワークの性能を重視」している事がわかる。

Android TV 推奨環境:
* お使いのルーターにコンピューターをイーサネット接続
* お使いのルーターに Android TV をイーサネット接続

タブレットおよびスマホの推奨環境:
* コンピューターと 5GHz WiFi ルーターにイーサネット接続
* お使いの Android デバイスを帯域幅 5GHz の WiFi ネットワークに接続
* お使いの Android デバイスをルーターからの電波が十分届く範囲内に配置


とは言え、スマホ側の性能が低すぎると動作しない可能性も高いので、一応ボクの使用しているスマホのスペックも以下の通りさらしておく。

Wi-Fi  802.11 a/b/g/n/ac
ディスプレイ解像度 1080 x 1920(フルHD)
OS Android 7.1.2 (Nougat)
Soc Qualcomm Snapdragon 652
CPU Cortex-A72, Cortex-A53 8コア, 1.95 GHz
GPU Adreno 510
メモリ(RAM) 4GB

(なお、PC側のグラフィックカードはGeForce GTX 960)


このSnapdragon652のパフォーマンスの目安だけど、だいたい最新のスマートフォンの中で「中の上(5点満点だと3.5点)」くらいの性能だと考えていただければ良いかと。

まあ、もっと高スペックな端末を持っている方も沢山いるんじゃないかと思いつつ、「ボクらの端末で動くのかどうか」の良い人柱だと考えていただければ良いかと(笑)

ちなみに現時点ではBETA版という扱いになっている模様。アプリサイズは30MBちょっとあるので、インストール完了までしばらく待とう。

アプリを起動してみる。


特に問題なくインストール完了したらアプリを起動してみよう。


うーん、ワクワク(笑)

さて、早速「始めよう」からスタート。

その後の画面でいきなり「コントローラのペアリング」を求められるようだ。コントローラとしてはSteamコントローラ、もしくは別のコントローラが指定できる。


まずは起動から確認、という事でとりあえず「スキップ」をここでは選んだ。

次に出てくる画面が、「コンピュータに接続」という画面。


こちらは、実際にSteamおよびゲームがインストールされているPCが同一のネットワークに接続されている場合、自動で検出される模様。

自身のコンピュータを選択すると、以下の通りの画面が表示。ネットワークのテストとしては15Mbpsでの接続を試すようなので、帯域に対する条件は結構シビアな物が求められている事がわかるだろう。


とりあえず、802,11ac接続になっているボクの環境の場合、無線ルータの近くだったこともあり、ネットワークの条件は満たしている模様。


ほめられるとうれしい。日々、無駄遣いしている甲斐がある(笑)

上記までの設定が終われば、一旦は設定が完了。


外部コントローラーは必須。


上記までの設定が完了すれば、Steam Linkを所有している人であれば、おなじみのいわゆるBig Picture表示でSteamが起動。


なお、先ほども仕組みについて書いたけど、基本的にゲームのインストールされているPC側で同じ画面が表示されている物が、スマホ側に動画でストリーミングで流されている。

つまりは、以下のように、PC側のディスプレイとスマホ側の画面には同じものが表示されることになる。



そして、最初はまず動作確認、というところで一つ、想定外の状況が発生。

勝手なボクの想像として、「外部コントローラー無し」でも何らか遊べる物と考えていたのだけど、どうやらスマホアプリ版の「Steam Link」でも外部コントローラーの接続は必須となっているようだ。


なお、外部コントローラーには「Steam コントローラ」か「Androidコントローラ」が選択可能となっていて、この「Androidコントローラ」にはBluetooth接続のコントローラーが利用可能なようである。

ボクはSteamコントローラも所持しているので、そちらを使うのがセオリーかつトラブルも少ないと思ったのだけど、ボクがこういった「小さな本格的ゲーム環境」を構築するために購入していた秘密兵器(?)があるので、それをここで投入してみることにしよう。


それがこの、ファミコン風デザインのBluetoothコントローラー、「8Bitdo FC30 PRO」だ。


このコントローラの特徴だけど、小さい筐体にアナログスティックも備えていて、LRボタンもちゃんと2個ずつ(結構無理やりだけど)あって、デザインとは裏腹に十分なボタン数を備えている点が優秀。

そして、ちょうど大きさもスマホより一回り小さく、まさにこの、スマホアプリ版の「Steam Link」に組みあわせるにはちょうど良い大きさと言えるんじゃないかと思う。(余談だけど、ファームウェアを最新化すると、Nintendo Switchでも使用できる模様)



なお、Steam Linkアプリの起動前に、スマホのBluetooth設定からBluetoothコントローラーをペアリングしておく必要があるので、その点は注意。

あと、実際のコントローラーの設定には多少手間取った(ここでは詳細は割愛)のだけど、まだ、LRボタンの設定が逆になっていたりと、まだ「完璧には設定できていない」様子。

まあ、ひとまず使用できる状態にはなったので、まずこの状態で色々試してみることにしよう。



遅延はほほ無し!!実際に幾つかゲームを遊んでみる。


さて、準備ができたところで、とりあえずゲームコンソールとして「実際の使用に耐えるか」という点が重要になると思うので、どうせなら、「積みゲーとしてまだやっていないゲームを最初から始めて実際の使用感を試してみる」のが良いかと思う。

そこで、今回の実験で選んだゲームが「QUANTUM BREAK」だ。


このゲームは2016年に発表されたゲームなのだけど、半年以上前に購入してそのまま放置していた。ゲーム内容も、アクションありのRPGみたいな物なので、ちょうど良いかと思う。




なお、設定についてはほぼデフォルトとしているのだけど、パフォーマンス向上のためにターゲット解像度を720P以下にした方が良いとの指示がディスプレイ設定にあったので、ここのみ変更している。

過去の経験上、画面サイズは720p辺りにしておいた方がゲームとしては快適に実行できる印象もあり、小さい画面だと1080pと720pの違いはほとんど気にならない事も理解しているので、ここは素直に解像度を落としておいた方が吉かと。



さて、起動した画面は冒頭にも貼ったけど、以下の通りのような感じで(1枚目は実際のスマホ画面の画面キャプチャ)、大変に美麗だ。遅延も、ネットワーク環境が良いせいか、ほとんど感じない。



いや、これ、フツーにすごくない!?

なお、余計な電波干渉を避けたいのと、多少の音声遅延もゲームでは避けたいため、音声はイヤホンジャックから取っているけど、おそらくBluetoothイヤホンなどでも問題無いだろう。

さて、この状態で1時間ほどQuantum Breakをプレイしてみたのだけど、時折、WiFiの電波状況の問題なのか、画面がカクカクする事象に遭遇する事はあるにはあった。

だけど、ほとんどの画面において、とてもスムーズで、特にQuantum Break自体がシビアなタイミングを要求するようなゲームではない事もあると思うけど、結論的に言うと、ほとんどゲームプレイには支障が無いように感じた


総合的に、これはリモートプレイ用の環境としてはかなりの高いレベルを達成している、そんな風に言ってしまっていいだろう。


なお、カクカクしている間は、映像&音声&コントロールの全てが遅延するイメージとなる。

まあ、おそらくさらにシビアな入力を要求されるようなFPSやアクションゲームではこの遅延のタイミングによってはこの遅延が致命傷になりうるかもしれない。

だけど、まあ1時間くらいゲームをやっていたけど、気になったのは文字の小ささくらいだったので、ある程度のゲームはこの環境で十分いけるんじゃないだろうか。


古めのタブレットでも起動してみる(NG)


スマホアプリ版の「Steam Link」については、先ほども書いた通りに明確な端末のスペックの性能要件については書いていない状況だ。

というわけで、スマホだとゲームプレイには画面が少し小さいという事もあって、「これ、古いタブレットでも動くんじゃね?」という事で、BNT-71Wという古い上にスペックもかなり非力なタブレットで動作を試してみることに。

写真も何枚か撮影したのだけど、とりあえず結果から言うと、かなり遊ぶのは厳しいという結果に。

実際の「Steam Link」アプリのインストール自体は、Androidバージョン5.1のBNT-71Wでも問題なくでき、起動やPC接続&コントローラの設定までは問題なし。

ただし、ネットワークの問題なのか、メモリ等のスペックの問題なのか、しばらく遊んでいると、突然アプリごと落ちてしまったりとかなり不安定な様子

まあ、例としては極端に低スペックなマシンを使用しているのは間違いないけど、今回の実験から、ある程度新しめのスマホ&タブレットで使用することが推奨と言えるだろう。

この後も幾つか解像度を落としたり、なんとか動かせないか試したのだけど、どうにも不安定だったので、タブレットでやりたい場合は素直にKindle Fireとか買った方が良いのかも。

コントローラ設定は少しハマるかも?


あと、コントローラ設定に関して。

おそらくSteamコントローラを素直に使えば、「ハマるポイントは少ない」ことだろうが、その他のコントローラを用いた場合には、いろいろと課題に出くわす可能性が高いように感じた。

いや、ボクの場合は、「お前、Steamコントローラ持ってんだからそれを使えよ」、という話なんだけど(笑)



Steam Linkのコントローラ設定周りは、ボクも実際にプロパティを開いてみてみたのだけど、直感的に理解しやすいものではなく、一度、設定関連のマニュアルを参照してみる必要があるように感じた。

なお、多くのゲームはデフォルトの設定でもプレイ可能で、下記も実際のスマホ画面のスクリーンショットだけど、Fallout4についても問題なくプレイできることを確認している。


とは言え、ゲームによっては「コントローラからの入力をゲームプレイ中は受け付けてくれない」ゲームもあり、この辺りは注意が必要だ。

例えば、ボクの所有している「Dark Souls」などはゲームがコントローラが接続されている事を認識しない状態で起動してしまうので、ただひたすら敵の攻撃を受け続け、死ぬのを待つだけの状況となり、実にシュールだ(笑)


一定数こういったゲームが存在し、自分の遊びたいゲームでコントローラが使用できない可能性があるという点は理解しておいた方が良いかと思う。

なお、先ほど、Quantum Breakの話題の際に少し書いたけど、現状の設定だと、どうにもLRが逆になっているように思う。

ゲームプレイ中に、「Lを押せ」と指示されてLを押しているのだけど、実際はR側を押す必要があったりと、こういうボタンのアサイン違いはゲームをやる人ならわかると思うけど、致命的な時があるよね(笑)

ボタンのアサインはコントローラによって少し調整が必要だと思われるので、この辺り、もう少し調査して詳細が判明したらこのブログに記載してみたいかと思う。


「Steam Link」アプリはボクらの待望のアプリだ!!


幾つかゲームを起動し、実際に1時間程度プレイしてみて感じたのは、これこそ、ボクの待ち望んでいたアプリと言い切って良いかと思う。

まあ、難点としてはネットワークの要件が結構シビアなので、無線環境の見直しが必要だと感じていたり、やはりゲームが大画面に最適化されているため、小さい画面では文字が小さすぎたりすることなどはある。

それでも、この辺りは工夫と慣れでなんとでもなると思うし、そもそも、8BitdoのFC30 Proのような小型のBluetoothコントローラーと組み合わせたゲーム環境はとてもコンパクトで、こんな環境でPCゲームができる事だけでも十分オモロいんじゃないかと。


多くの家庭を持つオジサンはわかると思うけど、なかなか一人でゲームに没頭する時間って取れないんだよね。


この辺り、「Steam Link」アプリは、「大作ゲームを」「PCの前に座らずに」「家族にコソコソできる」可能性を提供してくれる。このアプリはまさにボクらの救世主と言えるんじゃないだろうか(笑)

と色々書いたけど、とにかくQuantum Breakが面白すぎ!(笑)

というわけで、今回はこの辺りで。興味のある方は、是非「Steam Link」アプリをインストールして試していただければと思います!!


↓↓なお、同タイプのレトロ&コンパクトデザインのBluetoothコントローラも色々出てている模様。興味のある方は是非手にとって欲しい。

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