Google HomeをChromecastと連携させてオーディオ機器として覚醒させる方法【前編】


これ、言ってしまっていいんだろうか、、、スマートスピーカーってやっぱり音楽を聴くには力不足だよね!?(爆)

さて、Amazon EchoやEcho Plus、Google Homeなどが幾ら「音質に配慮した」設計になっているとは言っても、そもそもモノラルだし、構造上の限界もあると思うしで、オーディオ的には、決して良い音であるとは言えないと個人的には思っている。

現時点、オーディオ的に多少期待できそうなのは、日本未発売の「Google Home Max」くらいになるとは思うんだけど、それでもやはり、これまでの経験も踏まえると、こういう一体型の形状では、通常のアンプ+2chスピーカーの組み合わせには及ばないんじゃないかと思っていたりする。

結局、スマートスピーカーの現状としてはしばらくの間、音質などは二の次で、現時点ではそのバーチャルアシスタント機能の拡充と一般層への普及がメインとなる事かと個人的には考えている。

いや、「Sonos One」とか「Onkyo VC-GX30」とか気になるスピーカーはいっぱいあるんだけどね。ONKYOのスマートスピーカーP3とかずっと値崩れしてて気になってしょうがなかったり。






音質重視で選ぶべきスマートスピーカー、現時点の課題とは?



さて、上記の通り、音質重視という観点では、個人的な意見にはなるけど、今のところスマートスピーカー側のラインナップの拡充を待つよりは、スピーカー機能は外部に頼る事にした方が手っ取り早いと思われる。

というわけで、ボクも「オーディオ部は外部機器に頼る」事を目論んで、実際に3.5㎜ステレオジャックを搭載している「Amazon Echo Dot」を導入し、これまで、オーディオ的利用を試みていたのだけど、オーディオ用途で使うには幾つか課題がある事にも気づいてしまっている。

ここでは、ボクがしばらくAmazon Echo Dotをオーディオ機器として使えないかチャレンジする中で気づいた課題について書いてみよう。


課題①:難しい「オーディオライブラリ」との連携

ボクが実現したい事としては、「自分自身の保有している音楽データを音声コントロールで再生したい」という事なんだけど、これがなかなか実現が難しい。

というのも、まず、ローカルで構築した音楽ライブラリだと、そもそも「音声でコントロールする」術がない

というわけで、クラウド上の音楽再生のみが現時点では現実解なわけになるのだけど、これだとクラウドサービスで提供されている音楽しか再生できない事になる。

こうなってしまうとそもそものボクの目的が果たせない事になってしまうので、代替策として、「自身の音楽データをアップロードしてライブラリ化する」機能が必要になるのだけど、Amazon Echoが連携できるAmazon Musicのサービスではこういった機能は残念ながら国内では提供していない(※)。

※なお、米Amazon.comではAmazon Music Storageというサービスを展開しており、楽曲のアップロードにも対応していたのだけど、既にサービス廃止がアナウンスされていたりする。

というわけで、「自分の所持している音声ファイルをを音声コントロールで聴きたい」という割と当たり前の欲求が実現できないのは結構大きな問題かと思う。


課題②:3.5㎜ステレオジャック経由の音声出力

Amazon Echo Dotにはボクのような奇特なユーザー(笑)のために、音声出力用の3.5㎜ステレオジャックが付いている。


この3.5㎜ステレオジャックに音声ケーブルを接続し、Amazon Echo dotからアンプに音声を入力するような構成にすると、「Echo Dotからの音声全てがアンプに接続されたスピーカーから出力される」ようになるわけだ。

これはこれで確かに、内蔵のスピーカーを使用するのと比べて「音声を高音質化する」事には成功していると言える。

ただし、実際にこれで使ってみると、「Amazon Echo Dotの話す声」も全てスピーカー経由で出力される事になり、この点については、どうにも必要性を感じない(音楽再生のみスピーカー経由できっと良いだろう)のと、ちょっと説明しづらいのだけど、スピーカー部とマイク部が離れる事によって、マイクとの連動がうまくいかない(呼びかけが聞こえない、音量のバランスで違和感を感じる)ケースも増えるように感じた。

なお、ついでに、ボクの重視しているDAC性能についても一応言及しておくと、Amazon Echo Dotではテキサスインスツルメンツ社の汎用DACチップを搭載しているようだけど、少なくとも「最高」の部類に入る物ではない

このDACの性能という観点でも、気になる人は気になる(ボクもそうだけど)んじゃないかと思う。

以上、ちょっと贅沢な悩みかとは思うんだけど、Amazon Echo Dotがスマートスピーカーとして完成しているが故に、マイク部とスピーカー部の美しい調和が乱れるように感じるのは本当に惜しい。


課題③:悩ましいBluetooth経由の音声出力

では、Amazon Echo Dotらしく、Bluetooth経由で音声出力をする方針はどうだろうか。

ボクもこれまでに多くのBluetooth機器を試しているのだけど、Bluetoothによる無線化は大変に便利な反面、音声の圧縮が前提となっているため、音質に関しては「音が痩せる」傾向もあり、特に据え置きのオーディオ機器で使用する際には、こういった点が気になってしまう可能性が高い。

いや、聴き分けられるかという問題はまた別問題なんだけど(笑)

あと、Echo DotではLDACやaptX-HDといった高音質のコーデックには対応しておらず、接続時に利用できるコーデックはSBCのみとなるので、この点でも音質面で不利に働く可能性は高いものと予想される。

この辺り、スマートスピーカーは基本、電波環境の良い屋内利用が前提となっており、aptX-HDもLDACもライセンス料という観点でいえば、エンコーダはオープンソース化もあり無料になっているはずなので、積極的にこれらの高音質コーデックを採用していけば良いと思うんだけど。

以上、特に「音質 > 利便性」を重視する、今回のようなテーマではBluetoothはできれば使用しない方針としたいのが正直な気持ちだったりする。


Google Home Miniをボクが軽視していた理由



何もまあ、「OK Google」なんてフレーズを言いたくないから無視していたわけじゃあない(笑)

実は、Googleのスマートスピーカーについては、初めから「オーディオ利用」についてもかなり期待していた。

その理由だけど、Google Play Musicでは、自身の手持ちの楽曲をクラウド上にアップロードできる機能があり(無料アカウントでも50,000曲まではアップロード可能)、上記で記載した「オーディオライブラリ」の課題を克服できる可能性があるからだ。

この点、Amazon Echoの方にオーディオ利用時の優位性があったとしても、ライバルであるGoogleのサービスがAmazon Echoで利用できるようになる可能性は低く、ならば、「Google Homeで実現できないだろうか?」、という風に考えるのは普通だろう。

しかしである。

残念ながらGoogleのスマートスピーカーは3.5㎜ステレオジャックや光デジタル出力といったオーディオ用途に使えそうな外部出力を備えていない

そしてさらに言うと、最近までBluetoothスピーカーに対するストリーミング出力もできなかった。(2018年3月にやっと対応したけど。)

これらの理由により、オーディオ用途に使用するには、どうにもGoogle Homeはイマイチという先入観を持ってしまい、ボクは早い段階で、このオーディオ用途としてのGoogle Homeの利用を、対象から外してしまったのである。

しかし、これは最近「大きなカン違い」だった事に気づく。


Google Home MiniはChromecastとの連携で覚醒する。


先ほども書いた通り、確かに、Google Homeには外部音声出力も無ければ、Bluetoothオーディオに対応したのも最近だったりする。

これだけ見ると、「音声出力に関しては弱い」と判断されてしまうのも仕方がないかと思う。

しかし、実はGoogle Homeにはオーディオ用途で用いるための強力なブレイクスルーを持っている。

そう、Google Homeには、音声の外部出力端子を持たない代わりに、Chromecastを外部機器として連携する機能が備わっているのだ。

そして、これにより、オーディオ用途としてGoogle Home Miniを利用する場合に、かなり強力なメリットが産まれることになる。

そのメリットとは以下の通り。

  • Chromecast Audioを用いる事で光デジタル出力が利用可能となるので、より性能のよい外部DACを利用可能
  • Chromecastからの音声出力もHDMIからのデジタル出力となるので音質的に有利。(S/PDIF音声の切り離しには音声スピリッターなどを使う必要あり)
  • 音声コントロール部をGoogle Homeが担い、外部機器としてChromecastをコントロールする役割分担が、例えば音楽データの操作音とのPCMレベルでのMIXも不要になったりととても合理的。
  • 同じビットレートでも仕様上のオーバーヘッドの大きいBluetoothより、320kbpsのMP3であっても、Chromecast Audioでストリーミング再生した方が、実際の有効ビットレートは高く、音質的に有利

どうだろうか。オーディオ用途としてはAmazon Echo Dotの外部音声出力を用いたり、SBCにしか対応していないBluetoothスピーカーへの接続なんかに比べて、よっぽど期待できそうだとは思わないだろうか。

※なお、HDMIから音声を分離する場合は以下の機器がオススメ。


「Google Home Mini + Chromecast Audio」により音楽好きの夢は叶えられる




そして、使い勝手も実に秀逸で、この組み合わせにより、「こういう事がやりたかったんだ!」というボクらの夢は叶えられることになる。

この点、2つほどボクのよく利用している使い方を2つほど紹介してみると、以下のような事が実践できるようになる。

  • 自身の所有する音楽ファイルをクラウド上にアップロードし、「(ライブラリーから)XXX(アーティスト名)の〇〇〇(曲名)を再生」とGoogle Homeに呼びかけると、Chromecast Audio側から指定した音楽が再生される。(光デジタル出力で!)
  • Google Homeに「テレビをつけて」と指示してテレビをつけた後、「XXX(アーティスト名)の〇〇〇(曲名)の動画を見せて」と指示するとYoutubeで指定したMVが再生される。見終わった後は「テレビを消して」でテレビをオフにする事も可能。

そう、つまりは、Google HomeがあたかもChromecastの音声コントローラーのように扱えるという事になるわけだ。

どうだろう。考えるだけでワクワクしないだろうか!?


以上、この辺りの実際の使い勝手については、長くなりそうなので次回の更新で、

・Google Play Musicへの楽曲のアップロード
・Google Homeに曲を指定して、Chromecast Audioから再生するための一連の手順
・テレビに接続したChromecastでYoutubeのミュージックビデオを再生する手順

なんかについて整理して書いてみたいと思う。

なお、Google Home miniを何となく所有しながらも、手持無沙汰にしているという方は、ボクの更新なんか待たずに、速攻でChromecast/Chromecast Audioをポチって見てはいかがだろうか(笑)



それでは、次回の更新を「気長に」お待ちください!!
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