Bluetoothイヤホンを楽しもう!知って得する10のオーディオテクニック!


皆さん、Bluetoothイヤホン使ってますか?


さて、iPhoneがまだBluetoothイヤホンやレシーバの整備がまだ不十分な段階の中、強引にイヤホンジャックを廃止したことで、幸か不幸か、急速に普及が進んでいるように感じるBluetoothオーディオだけど、ボクも良い機会と感じていて、実際に幾つか導入し、色々と試している状況だったりする。

だけど、このBluetoothオーディオというやつはまだまだ発展途上なのか、扱いが難しい場合もあって、幾つか押さえないといけないポイントもあったりと、現状では、多くの人が何らかの不満を持っている状況もあるんじゃないかと思う。


というわけで、今回は、長らく色々と試してきた中で気付いたり学んだりした内容について、10個のポイントに分けてTIPSとしてまとめて書いてみたいと思う。


なお、Bluetooth関連で大量に色々書きすぎた(笑)、過去記事に対するインデックスの役割を兼ねていたりも。

この記事が、皆様の楽しいワイヤレスイヤホンライフのお役に立てれば幸いです。




目次

  1. 何よりも相性が大事
  2. コーデックを制する者はBluetoothオーディオを制す
  3. 圧縮形式のハイレゾなんていらない
  4. iPhoneのBluetooth事情
  5. 厄介な電波干渉
  6. 臨機応変に接続方式を変えるべし!
  7. 音楽中心?動画中心?
  8. ボリューム付レシーバは万能
  9. まだまだ発展途上のBluetoothオーディオ
  10. やっぱり有線が好き

1. 何よりも相性が大事


ここしばらく、Bluetoothオーディオを試してきたボクの結論だけど、コーデックだったり、ボリュームだったり、音質だったり、色々と気にしたいポイントはあるのだけど、結局は送信機(トランスミッター)と受信機(レシーバ)の相性が良い事が最も重要、という事に尽きるんじゃないかと思っていたりする。

いくら採用しているコーデックや機器のスペックが高くても、使用する環境でノイズまみれだったり音声が途切れ途切れだったりすれば何の意味もないからだ。


接続の安定性は主に、使用する送信機と受信機のHWとしての相性、送信機と受信機の距離、使用する環境(電車内など最悪)、使用するコーデックに依存する。

特に機器それぞれにスペックからは読み取れない「電波の強い or 弱い」があって電波の弱い機器同士を組み合わせると、どうにも通信が安定しない、なんて状況に陥ったりする。


この辺り、ボクも手持ちの機器について情報公開したいとは思っているのだけど、使い方や環境に大きく依存し、ある人はうまくいってるけど自分はうまくいかない、なんてことがありえる、主観的なものでもあるので、なかなかうまく整理できていない状況だったりする。

なお、どうも小さい機器ほど「アンテナが貧弱」なのか、電波が弱い印象がある(BT-W2なども少し電波が弱いと思う)のだけど、日本語サイトだろうと、英語サイトだろうと、各機器を実際に組み合わせて使用しているレビュー等、入手できる情報があれば、そういったものを是非参考にするのが、成功の鍵なんじゃないかと思う。

いずれにせよ、最終的にはカタログスペックなんかは役に立たない世界なので、ある程度は人柱的要素があり、ダメな場合は「改善方法を模索する」のではなく、「すぐに諦めるという決断」もBluetoothオーディオには大切じゃないかと思う。


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2. コーデックを制する者はBluetoothオーディオを制す

さて、Bluetoothオーディオを使用する場合に、理解しておかないといけないのが、音声データの圧縮に使われるコーデックに対する理解だ。

それは、どのコーデックに対応しているかさえ確認できれば、ワイヤレスオーディオに内包しているその音質の劣化や音声の遅延といったものをある程度は把握することができるからだ。

汎用コーデックであり、いわゆる「Bluetoothオーディオは音が悪い」の元凶でもあるSBC、音声遅延&音質のバランスが取れたaptX、iPhoneで採用されているAAC、音声遅延が最も少ないaptX-LL、音質重視かつハイレゾ対応のaptX-HD/LDAC、あたりを抑えておけば問題ないと思うが、詳細は過去に何度も書いたので、以下の記事などを参照いただくと理解が深まるだろう。


なお、オモロダイブでは動画視聴におけるワイヤレスオーディオの最適解として、aptX-LLでの接続をオススメしている。

なお、これらのコーデックについては、送信器と受信機の両方で同じコーデックに対応している必要がある事を念のため補足しておこう。

以下のように、送受信のいずれの機能も持つアイテムもあるので、同じ物を送信と受信の両方で用いる事で、相性問題は回避しやすいかと思う。


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3. 圧縮形式のハイレゾなんていらない?

さて、上記でLDAC/aptX-HDはハイレゾ対応だという事を書いたけど、音声のワイヤレス伝送時には音声データを非可逆圧縮しているわけで、本当にハイレゾが必要なのかどうか、ボクは懐疑的だったりする。

それは、LDACでもビットレートが最大でもせいぜい990kbpsだったりするのに対して、ハイレゾ相当の音声を伝送しようとすると、それだけ圧縮効率も悪くなるし、96kHz/24Bitの音声データは元々96×24×2=4608(kbps)あるのを、どこまで「音質を損なわずに圧縮することができるのか」について疑問を感じるからだ。


また、Bluetoothの狭い帯域をギリギリまで使おうとするくらいなら、接続の安定性の確保を優先して、ある程度のバッファを持って、通信を行った方が良いとも思っている。


個人的な見解にはなるけど、現在のBluetoothの帯域の制約からすると、ビット深度を16Bit→24Bitにしてダイナミックレンジを改善する程度で音質としては必要十分なので、後は圧縮効率の改善や、帯域の確保にまず注力する方が良いと考えている。


この点、無理に一時の流行りに乗って「ハイレゾ対応」を進めるのではなく、44.1kHz/24Bitあたりでビットレートを可能な限り稼ぐか、もしくは44.1kHz/16BitのCD品質を無圧縮でBluetooth伝送できるようしてもらえる方が、ボクとしてはうれしかったりする。


このあたりは、以下の記事で、Bluetoothオーディオの限界と妥協点の考察について書いているので、参考にしていただきたい。


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4. iPhoneのBluetooth事情を理解する

AppleはiPhone7以降でイヤホンジャックを端末から排除する決断を下し、もうすでにiPhoneといえばイヤホンジャックが無いスマホという位置づけになってきている。

しかし、その割にワイヤレスイヤホン辺りの整備が不十分なため、現時点ではなんとも中途半端かつ不便な状況と言える。


特に、Buetooth自体はその音声遅延を最小化したaptX-LLや、ハイレゾも意識した高音質なLDAC/aptX-HDといった音声コーデックを採用するというのが主流になってきている状況の中、現在はほぼAppleのみ、遅延の大きいAAC VBRコーデックを採用しており、レシーバ側は少なくともこのAACに対応したものを選択する必要があり、ここが一つの制約事項として、iPhone用のBluetoothイヤホン選びを難しくする要素となってしまっている。

なお、AAC VBRは音質こそ必要十分だとは思っているのだけど、音声の遅延が800ms(0.8秒!)と無視できないほど大きく、実装上もこれだけの遅延の取り扱いが難しいのか、一部のIOSバージョンとBluetoothレシーバの組み合わせでは遅延だけではなく、音楽冒頭が音飛びするなどの不具合も報告されているようなので、色々と課題があるんじゃないかと感じている。

まあ、ボクはすでにiPhoneを使用する際もaptX-LLを使って再生をしているので、まあ問題は無いのだけどね。

多少強引にiPhoneをaptX-LL化する手法については以下の記事を参考にしてほしい。


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5. 厄介な電波干渉

特にBluetoothの電波が弱い機器同士で接続している時に顕著なのだけど、環境のノイズを拾ってしまって、音が途切れたり、再生音にノイズが乗ったりと、接続が不安定な状況に遭遇する事も多々あると思う。


これは、Bluetooth自体が2.4GHz帯という一般の無線LANや電子レンジなどの家電が採用している混み合った帯域を無線の伝送で用いているためで、特に人混みや満員電車といった電波干渉の過密環境では機器の組み合わせによっては回避不可なものとなっていて、この点で大変に不満を感じる事もあるだろう。

そういった場合には、面倒だけど、乗車位置を変更する(電波を発する装置の近くにいる場合あり。)、近くの人から離れてみる(その人の使用している機器の発する電波が影響している可能性)など、なるべく通信条件が良くなるように工夫する事もBluetoothオーディオでは重要なポイントとなるだろう。

なお、バッテリーが少なくなっている時も電波が弱くなっているのか、音の途切れなどの症状が顕著になるというのも経験的にはあるので、バッテリー残量にも注意しておく必要があるだろう。


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6. 臨機応変に接続方式を変えるべし!

例えば、スマホでは対応できないaptX-LLやLDACに対応したレシーバとトランスミッターを入手したとすると、これらの機器をなんとか安定的に常用したいと思うことかと思う。

でも、もし電波状況の悪い環境等で、導入した機器がなんとも不安定なようであれば、下手にノイズや音の途切れと戦いながら使い続けるより、さっさとその環境での利用を諦め、代替案に逃げる事も重要だと思う。

具体的には、有線に切り替えるか、もしくはaptX-LL対応のトランスミッターで接続するのを諦めて、スマホ本体側のBluetooth機能を用いて、SBCかAAC/aptXなど、端末の対応している接続方式にさっさと切り替えるなど、調子の悪い場合は他の接続方式を試すのが良いかと思う。


aptX-LLの恩恵は、特にその動画に対する音声遅延の最小化なので、音楽を聴く場合には無印aptX/AACでも問題ないだろうし、英語学習やポッドキャストを聴く程度であればSBCでも十分なはずだ。

当然、機器間の接続が弱すぎて、ほとんど使用できない、なんて状況であれば使用する機器自体の変更を検討したほうが良いと思うけど、例えば満員電車の10分程度のみなど、限られた環境でのみ使用できないというのであれば、あまり神経質にならずに、「目的に応じた接続方法」でうまく切り替えながら運用する方が賢いと言える。

そもそも現時点ではワイヤレスオーディオにはまだまだ欠点も多い事を理解し、うまく使い分けていく事が重要だろう。


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7. 音楽中心?動画中心?


まあ、これも上記とほぼ同じ話だけど、何も音楽を聴くのにaptX-LLなんて低遅延のコーデックを使用する必要はなく、どちらかというとLDACやaptX-HDなどの高音質コーデックの使用を検討するべきだし、逆に動画を見るのに、SBC(遅延220ms)やAAC-VBR(遅延800ms)、LDACやaptX-HDといったハイレゾ対応コーデック(遅延時間非公開)を使用するのは、遅延が大きすぎ、快適な視聴が望めない可能性が高いだろう。


また、音楽中心なのであれば、結局ワイヤレスにするメリットよりデメリットの方が大きくなってしまう事も考えられ、別の記事でスマホに外部DACを接続するTIPSを書いているけど、そちらのTIPSを採用するなども考えたほうが良いんじゃないかと本気で考えている。


いずれにせよ、当たり前の事だけど、自分の使用目的にあった、機器&コーデック選定が重要になるかと思う。

ただし、音楽も動画もどっちも楽しみたい、という用途であれば過去に書いている通り、現状はaptX-LLに対応したBluetooth機器が最適解だとは思う。


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8. ボリューム付レシーバは万能

例えばトランスミッター(送信機)にCreatvieのBT-W2や「光デジタル入力の送信機」を使用した場合に、送信側で音量を調節できない場合がある。

この場合、レシーバ(受信機)側にも音量を調節する機能が無い場合、「最大音量で送信された音声信号」を音量調節する術がない事になってしまう。


こういった場合に、当然、Bluetoothイヤホンやヘッドホンを使用している場合には、そちら(受信機)側の音量調節機能が使えるのだけど、一部のBluetoothレシーバでも音量調節に対応したものがあるので、そちらを導入するのが有効となるだろう。

色々見たけど、こちらの用途でも先ほどのTRONDの製品が最適っぽい。

うーん。値段も安いし、これ、決定版にしても良いかも。



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9. まだまだ発展途上のBluetoothオーディオ

結構歴史の長いはずのBluetoothオーディオなのだけど、長い間、人気がなかったせいか、まだまだユーザーインターフェースとしては洗練されていない印象も強い。

特に以下の2点などは未だに面食らう事もあって、早めに改善してほしいポイントとなっている。

  • 操作音や操作メッセージのボリュームが音量を絞っているのにも関わらず大音量で再生される。
  • 接続時に使用するコーデックを一部の機器以外(※)では自分で選択する事ができない。(※Androidやウォークマンでは設定可能)

特に操作音の問題は、最新機器とは思えない実装だと思う。新規の導入する方はこういった問題がある事を頭に入れておいた方が、後からイライラする事も無くて良いかと(笑)


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10. やっぱり有線が好き


無線接続はなんだかんだ使いにくいものでもあるけど、有線接続における、「猿回しの猿」のようにケーブルの長さの制約で端末とケーブル中心に自分が動かないといけない状況を改善し、大変に便利なものだとは思う。


それでも、やはり未だ有線には、高音質が得られやすく、バッテリーの問題や操作時の操作性&レスポンスの点では、まだまだ大きなアドバンテージがあるようにも思う。


いずれ、この辺りの問題を解決した無線方式が生まれてくる可能性は高いとは言え、そういう意味では、まだ有線を完全に置き換えるものというよりかは、有線/無線の併用を前提とした使用の方がお互いの欠点を補う、賢い使い方であると言えるだろう。


まあ、ボクはそれでもPC周りの使用では、「ヘッドホンしたままトイレに行ける」のが恐ろしく便利(笑)なので、ガチの音楽視聴以外、ほぼ9割は無線に移行してしまったけどね。

この辺り、Bluetooth対応のヘッドフォンは自宅使用だとかなり便利なので、評価も高く、aptX-LLに対応しているTRONDの「TD-BH01」辺りがオススメと言えるかなあ。

なんか、TRONDの回し者みたいになってるけど(笑)



みなさんも自分の用途を振り返ってみて、最適な使い分けを考えていただければと思います!

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